指導要綱

目次

学習目標

本教材では、情報社会における情報の基本的な理解、デザインやプログラミングなどのIT技術の基礎的なスキルの習得を目指します。具体的な目標は以下の通りです。

  1. 情報社会における情報の性質、問題解決の考え方、個人情報の扱い、情報社会の危険性と対策、知的財産権と産業財産権、著作権などの基礎的な知識の習得。
  2. デザインの基礎知識の習得、WebデザインやHTML/CSSを用いたWebページの作成能力の向上。
  3. デジタル技術の基礎的な知識の習得、コンピュータの仕組みやネットワーク、データの表現方法などの理解。
  4. データの収集や整理、質的データと量的データの取扱い、統計的検定、モデル化とシミュレーションなどの基礎的な知識の習得。
  5. アルゴリズムやプログラムの構成要素、データの扱いなどの基礎的なプログラミングスキルの習得。

想定時間

40時間

対象者集団

高校1年生

  • 中学レベルの基礎的な知識を身につけている
  • インターネットを日常的に使っている人

教材利用者の前提条件

  • 中学レベルの基礎的な知識を身につけている(国語の読み書き、数学の簡単な計算、最低限のパソコン操作など)
  • ドラッグなどのパソコンの基本操作、かつ知識がないと本教材で求められる操作が難しい。そのため、基本的なインターネット知識を必要とする。

前提条件のチェック方法

事前にアンケート調査を実施し、利用者がパソコン操作やインターネットの利用方法について不安を抱えている場合は、その部分について補足説明を行う。

学習内容と目安時間

スクロールできます
学習目標内容予定時数
1章01 情報とその性質情報の定義と分類の仕方について学ぶ。
情報の特徴(残存性、複製性、伝播性)について知る。
メディアの特性と種類について知る。
1.情報とは
2.情報の特性
1)残存性
2)複製性
3)伝播性
3.メディアとその特性
1
02 問題解決の考え方問題の定義と問題解決への取り組み方を学ぶ。
問題解決の手順について知る。
問題解決の手法について知る。
1.問題とは
2.問題解決の手順
3.問題解決の手法
1
03 個人情報と扱い方個人情報とその取り扱いの注意について学ぶ。
個人情報の活用について知る。
匿名加工情報について知る。
1.個人情報
2.プライバシー
1)プライバシー権
2)肖像権とパブリシティ権
3.匿名加工情報
1
04 情報社会の危険性と対策情報漏洩とその対策のための法律について学ぶ。
法律による安全への対策について知る。
情報漏洩とその対策について知る。
1.法律
1)不正アクセス禁止法
2)個人情報保護法
2.情報漏洩
1)情報漏洩とは
2)情報漏洩の種類
1
05 知的財産権と産業財産権知的財産権の概要と産業財産権について学ぶ。
知的財産権の目的と概要を知る。
産業財産権の種類と内容について知る。
1.知的財産権
2.産業財産権
1)特許権
2)実用新案権
3)意匠権
4)商標権
1
06 情報社会と著作権著作権の目的と概要について学ぶ。
著作物の定義について知る。
著作権が定める例外規定について知る。
1.著作物
2.著作権
1)著作権とは
2)著作者人格権
3)著作権(財産権)
3.著作権の例外規定
1
2章01 デザインとはデザインの定義とその役割について学ぶ。
デザインとアートの違いを知る。
良いデザインとその作成手順を知る。
1.デザイン
1)デザインとは
2)デザインの役割
3)良いデザインとは
2.デザインするための一連の進め方
1
02 情報デザインと表現の工夫情報デザインの定義と重要性について学ぶ。
情報デザインの役割と目的を知る。
情報デザインのための適切な手法を知る。
1.情報デザインって?
1)情報デザインとは
2)情報デザインの役割・目的
3)情報デザインの重要性
2.情報デザインの具体的手法
1
03 WebについてWebの定義とその仕組みについて学ぶ。
Webサイトの設計、構造について知る。
Webページを構成する要素について知る。
1.Web、Webページって?
1)Webとは、Webページ・Webサイト
2)Webサイトの設計、Wedページの構成
3)制作の順序・進め方
4)表示される仕組み
2.HTML,CSSの紹介
1
04 HTML(基本)Webページを構成するHTMLについて学ぶ。
HTMLを構成するタグや属性について知る。
HTMLの文法について学び、記述してみる。
学ぶ内容
1.HTMLって?
1)HTMLとは
2)ハイパーテキスト
2.HTMLの記述の仕方
1)タグ
2)属性
2
05CSS(基本)Webページを構成するCSSについて学ぶ。
CSSを構成するセレクタやプロパティについて知る。
CSSの文法について学び、記述してみる。
学ぶ内容
1.CSSって?
1)CSSとは
2.CSSの記述の仕方
1)セレクタ
2)プロパティ
3)値
2
06 HTMLとCSS(実践)2
3章01 デジタル情報とは情報の表し方について学ぶ。
アナログとデジタルについて知る。
表現できる情報の数を表す方法を知る。
1.デジタル情報とその役割
1)アナログ情報とデジタル情報
2)なぜデジタル情報を学ぶの?
3)コンピュータ内で実際にどう扱われているのか
2.情報量とその単位
1)情報量とその単位
2)表現できる情報の数・必要なビット数
1
02 数字の表現と演算目的に応じた数値の表し方を学ぶ。
10進数以外の数値の表し方を知る。
それぞれの数値への変換、計算方法を知る。
1.数値の表現
1)10進数と2進数の関係、10進数 ⇄ 2進数
2)16進数とは、2進数との関係、利点
3)変換の仕方のまとめ
2.数値の演算
1)2進数の加法と減法
1
03 論理回路論理回路の要素と仕組みについて学ぶ。
基本論理回路を知る。
論理回路を用いた計算方法を知る。
1.論理回路の基礎 
1)論理回路とは 真理値表
2)AND回路
3)OR回路
4)NOT回路
2.論理回路を使った2進数の足し算 半加算器、全加算器
1)半加算回路
2)全加算回路
1
04 文字の表現コンピュータにおける文字の表現について学ぶ。
文字コードの特徴を知る。
文字と文字コードの関係と変換を知る。
1.文字コード
1)文字コードとは
2.文字コードの具体例
1)ASCIIコード
2)Shift-JIS
3)UTF-8
1
05 音の表現音の性質とコンピュータで扱う方法を学ぶ。
音のデジタル化の手順を知る。
元の音に近づけるための標本化周波数と量子化の段階数を知る。
1.音のデジタル化手順
1)音の性質
2)標本化(サンプリング)
3)量子化
4)符号化
2.標本化周波数と量子化の段階数
1)標本化周波数
2)量子化の段階数
1
06 画像の表現画像の性質とコンピュータで扱う方法を学ぶ。
画像のデジタル化の手順を知る。
画像の形式と使い分けを知る。
1.画像のデジタル化手順
1)画像の性質
2)標本化(サンプリング)
3)量子化
4)符号化
2.画像の性質(2つの画像形式)
1)ラスタ形式
2)ベクタ形式
1
07 コンピュータの構成コンピュータを構成する要素について学ぶ。
ハードウェアとソフトウェアについて知る。
CPUの構成と処理能力について知る。
1.コンピュータを構成するもの
1)ハードウェア
2)ソフトウェア
2.CPUとメモリ
1)CPUの基本構成
2)メモリ
3)処理の高速化の工夫
1
4章01 ネットワーク情報通信ネットワークとそのシステム形態について学ぶ。
LANとWANの違いについて知る。
集中処理と分散処理について知る。
1.情報通信ネットワーク
1)情報通信ネットワークとは
2)ネットワークの分類
3)コンピュータ内で実際にどう扱われているのか
2.コンピュータのシステム形態
1)処理を行うコンピュータの配置形態
1
02 プロトコルインターネットのプロトコルについて学ぶ。
TCP/IP、IPアドレス、ドメイン名について知る。
プロトコルを用いたデータの転送の仕組みを知る。
1)プロトコルとは
2)インターネットのプロトコル
3)データ転送の仕組み
2.データ転送の仕組み
1)Webページの閲覧
2)電子メールの送受信
1
03 情報システムネットワークを用いた機能を提供する仕組みについて学ぶ。
具体的な情報システムの例を知る。
情報システムとデータベースの関係を知る。
1.情報システム
1)情報システムとは
2)さまざまな情報システム
2.情報システムにおけるデータベース
1)データベースとその役割
2)情報システムとデータベース
3)データの分析と活用
1
04 データベースデータベースの役割と使い方を学ぶ。
DBMS(データベース管理システム)について知る。
リレーショナルデータベースの仕組みと操作を知る。
1.データベース
1)データベースとその役割(復習)
2)データベースの種類
2.リレーショナルデータベース
1)リレーショナルデータベース
2)リレーショナルデータベースのデータ操作
1
05 情報セキュリティ情報の安全を守るために必要な対策について学ぶ。
情報セキュリティの3要素について知る。
具体的な対策方法について知る。
1.情報セキュリティ
1)情報セキュリティ
2)C-I-A 3つの要素
2.安全対策の種類
1)不正アクセスへの対応
2)認証技術
3)ウイルスへの対策・対応
4)情報の暗号化
1
06 セキュリティ技術情報の安全を守るための技術について学ぶ。
暗号化の方法と認証技術について知る。
有害情報への対策やデータの正しさを証明する技術を知る。
1.暗号化と認証技術
1)暗号化
2)認証技術
2.さまざまな情報技術
1)C-I-Aに関わる情報技術
1
5章01 データの収集と整理データの活用と収集方法について学ぶ。
量的データと質的データについて知る。
分析するためのデータを収集する方法を知る。
1. データの活用
1)データの活用
2)データ分析の流れ
2.データの収集
1)データの種類
2)データの収集
1
02 質的データ質的データの分析方法について学ぶ。
テキストマイニングについて知る。
AIによる画像認識技術について知る。
1.質的データ
1)質的データとは
2.分析方法
1)文字データ
2)画像データ
1
03 量的データ(1)量的データの分析方法について学ぶ。
時系列、度数分布、割合、散布図での表し方を知る。
グラフや表を用いた分析方法を知る。
1.量的データ
1)量的データとは
2.分析方法
1)分析する際の注意
2)分析の方法
1
04 量的データ(2)量的データの分析方法の中でも数学的アプローチを学ぶ。
度数とそれを使って表す新たな数値を知る。
データの散らばりを調べる方法を知る。
1.量的データの分析手法
1)度数
2)平均・分散・標準偏差
3)中央値・四分位数
4)回帰分析
1
05 統計的検定統計的検定の考え方とその方法を学ぶ。
仮説検定とその手順について知る。
検定の手法(t検定とχ(カイ)二乗検定)について知る。
1.統計的検定
1)統計的検定とは
2)必要性
2.仮説検定
1)仮説検定とは
2)仮説検定の考え方・手順
3)検定の使い分け
1
06 モデル化とシミュレーションモデル化とそれを利用したシミュレーションについて学ぶ。
モデル化の目的とそれに合ったモデルの種類について知る。
モデル化とシミュレーションの手順について知る。
1.モデル化とシミュレーション
1)モデル化とシミュレーション
2)モデルの種類
2. 手順・進め方
1)モデル化の手順
2)シミュレーションの手順
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6章01 アルゴリズムアルゴリズムの定義とその基本構造を学ぶ。
アルゴリズムとプログラミングの関係を知る。
3つの基本構造とフローチャートでの表し方を知る。
1.アルゴリズム
1)アルゴリズムとは
2)プログラミングとの関係
2.基本の要素と表現方法
1)アルゴリズムの表現方法
2)アルゴリズムの基本構造
1
02 プログラムとプログラミングプログラムの書き方と基本構成を学ぶ。
変数、データ型、演算について知る。
プログラムを書く時の基本ルールとエラーについて知る。
1.プログラム
1)基本構造
2)作成時のルール
2.プログラミング
1)プログラミングの流れ
2)エラーの種類
1
03 プログラムの構成要素効率的なプログラムに必要な構成要素について学ぶ。
関数、ライブラリ、APIについて知る。
ユーザ定義関数の扱い方を知る。
1.プログラムの構成要素
1)構成要素
2)関数、ライブラリ、API
2.関数
1)関数とは
2)プログラム内での関数
1
04 データの扱いプログラムにおけるデータの格納方法について学ぶ。
配列、リスト、スタック、キューの仕組みを知る。
添字を使って要素を表す方法を知る。
1.データ構造
1)プログラムとデータ構造
2)データ構造の例
2.配列
1)配列とは
2)一次元配列と二次元配列
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